二〇〇九年の春、「補正予算で、学校給食の電気炊飯器を学校に配布する」という報告がされました。しかし、学級数分の電気釜に一斉にスイッチをいれると、学校の電気容量では対応できないことが判明して、予算化は立ち消えになりました。二〇年ほど前、事務職員のTさんが隣の市に異動したときの経験です。前の市も今度の市も給食は自校調理でした。異動してまもなくのある日、栄養士が他佼の栄養士と「ハンバーグを出汁で煮込むとおいしくなるよ」と話していました。よく聞いてみると、「レトルトのハンバーグ、それを少しでもおいしく食べさせたいので」という話、こうした工夫の最大の理由はオーブンがないことだとわかりました。ハンバーグの手作りだけでなく、前の学校の子どもたちの「お気に入り献立」鮭ご飯(大きい鮭を丸ごとオーブンで焼いく)も無理です。調理員と栄養士合同の調理実習や研修会もありません。その後、Tさんは、オーブンだけでなく、包丁殺菌もないというその学校で、給食調理用具や設備の補充に四苦八苦の学校事務職員生活をおくることになりました。いま、学校給食実施校が増えてきていますが、その実態はさまざまです。給食費の保護者負担のない地域、地元の米や野菜を食材に積極的に取り入れている地域、全校一緒に食事できるランチルームのある学校、一方で、調理業務の民間委託、請負方式、業者の弁当給食、前もってお金を払わねばならないプリペード方式の学校等、多様な形態となっています。そうしたなかですが、安心・安全な学校給食のための施設整備などの最低、または標準基準は見当たりません。食材料費だけでなく燃料費を保護者負担している地域もあるという状況で、学校給食の財政保障のあり方も統一されてはいないのです。また、教育費用を助けてくれると学資保険が20代の母親たちに人気になっているそうです。
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