看護部長や病院経営者側らからは「夜勤のできる人員が少なく、これ以上の規制がかかると現場が回らない」との声が大きく、規制の全面緩和を訴えている。日本医師会が09年7月に行った調査でも、夜勤要員の確保の困難さが示され「1年前に比べ看護職員の採用がさらに困難になった」と答えた病院が61%に達したと、夜勤72時間要件の緩和を求めている。これは、全日本病院協会や日本精神科病院協会なども同様の見解だ。日本看護協会、自治労をはじめとする各団体は「夜勤は診療報酬上でも64時間以内にすべき」と主張している。これに対し、4病院団体協議会(日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本病院会、全日本病院協会)は「全面的に戦う」との姿勢だ。しかし現実を見れば、看護師の夜勤に規制がかかっていたとしても、現場では守られてはいない。本来は労働基準法や男女雇用機会均等法で守られているはずの妊産婦が夜勤免除されず、その結果、「職場流産」とも言える悲劇までが広がっている。だが、さらにここで夜勤の規制を緩和・撤廃してしまえば、法制度が過酷な夜勤を野放しにすることを容認することになり、現場が無法地帯となるだけだ。日看協の「時間外勤務、夜勤交代制勤務等緊急実態調査」(08年)では、3交代の夜勤で2人に1人が月9回以上、4人に1人が月10回以上の夜勤を行っていることがわかった。夜勤の回数は少なく、一回の夜勤時間は短くするのが本筋だ。
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